羽曳野BROOM

2013年12月3日火曜日

【書評】不格好経営―チームDeNAの挑戦 著・南場智子

依然、時間がない中でも読書は出来るだけするようにしています。

今回はDeNA創業社長南場智子元社長の不格好経営-チームDeNAの挑戦から。、



以前、IT業界でお仕事をしていた事があります。

といっても、大きくいうとIT業界なだけで、華やかなヒルズ族とは無縁でせこせこと1人でやっていたのですが、当時、よく噂やお名前を聞いたのがDeNA南場智子社長でした。



当時はまだビッダーズからモバオクとポケットアフィリエイトを立ち上げられるかどうかぐらいの頃で、記憶が前後してるかと思いますが、楽天市場やサイバーエージェントがグイグイ伸びてる頃でしょうか。



多分、ライブドアを堀江さんが買うか買わないかのような頃だったかなと思います。



当時はIT業界はご存知の通り派手なイメージで、携帯のi-modeサイトが活況で、出会い系サイト、待ち受け画像、着メロ、占いなどが人気のあった頃ですね。



当時、DeNAも凄い当たっている会社の象徴として、同じような仕事をしている人から人伝だったり、うわさだったりでよく南場社長のお名前をお聞きしました。



この本を読んでみると、ヒルズ族の方なども出てきませんし、勝手に抱いていたイメージとはかなり違った方でした。



当時はイメージ先行で、もっと派手で強烈なパワーを持った人のような噂を聞いたり、そんなイメージを持っておりましたが、案外そうでもなかったんだな、と、ご主人の闘病を支えるべく社長を退任されたのも合点がいく感じがしました。



本の内容としては、経営指南本とかそういった類のものよりは、DeNAと南場社長の歴史のような形で、少しそういう時代を聞きかじっている人間として、時系列で、「ああ、あの時はそうだったのか。」という裏側を知れたようで楽しく読み進む事が出来ました。



モバゲーも一時は犯罪の温床みたいなイメージが先行しましたが、ポケットアフィリエイトもアフィリエイト専門ということで、今ほどアフィリエイターの技術もなく、稼げないASPの象徴のような噂や、当時の言葉でアフィゴマなんていうアフィリエイト報酬ごまかし疑惑などを聞いておりましたので、あまりイメージは良くなかったのですが、今思えば、ポケットアフィリエイトが思いのほか当たらなかったり、稼げなかったりしたのは、携帯とアフィリエイト広告の相性の悪さや、当時のアフィリエイターのレベルの問題だったのかもしれませんね。



ポケットアフィリエイトは先日サービス廃止になりましたが、少し時代が違えば当たっていたのかも。



また本書の中では、時代時代でご苦労された様子が書かれており、外から見てるイメージではグングンと驚異的な成長を続けたようなイメージを抱いていましたが、その時々でいろんなご苦労があったのだなぁと。



そんな南場社長の著作の中から覚えておきたいDeNA Qualityをシェアしておきます。



DeNA Quality

DeNAではチームとして最大限のパフォーマンスを発揮するために、全社員に必要な共通の姿勢や意識として「DeNA Quality」を掲げています。



  • デライト(Delight)
  • 顧客の事を第一に考え、感謝の気持ちを持って顧客の期待を超える努力をする。

  • 球の表面積
  • 常に最後の砦として高いプロフェッショナル意識を持ち、DeNAを代表する気概と責任感を持って仕事をする。

  • 全力コミット
  • 2ラックアップの目線で、組織と個人の成長のために全力を尽くす。

  • 透明性
  • チームワークとコミュニケーションを大切にし、仲間への責任を果たす。

  • 発言責任
  • 階層にこだわらず、のびのびしっかりと自分の考えを示す。
当然のことながらDeNAの社員でなくとも、この5つを知っておくのは有益だと思います。

いずれも組織の中で個人が成長し活躍するためのエッセンスが詰まっており、「2ラックアップの目線で」や「のびのび」など、要所要所に詰まっているDeNAイズムは常に心がけておきたい部分ですね。



一昨日より現在大学三年生の皆さんの就活が解禁になりましたが、是非、社会に出た時に心がけてみられると良いかなあと思います。



おわり。