スリフティさんの話。

アメリカ村で実に18年もの間、古着屋として営業されていましたスリフティさんが12月2日をもって閉店されました。

といっても営業不振で、とかではなく、スリフティを率いて来られました田中社長の急逝という悲しい出来事があっての事だったのですが、最後はいつも底なしに明るかった田中社長らしく、盛大なセールを開催して最後を飾られました。

スペシャルセールで、最後の最後まで、素晴らしい商品クオリティーを見せてくださり、田中社長とスリフティさんの底の見えない凄みを感じましたね。

奥様が、まだ家にもあると仰っておられたので、どれほどの商品がストックされていたのか、想像もつきません。

僕が1番最初にスリフティさんへ行ったのは高校3年生の時。
実に16年前。

当時はビンテージブームで、スリフティさんの通りだけでも、たくさん古着屋さんがあり、今のWE GOさんの入っている店舗にNYLONという、現在のリアルマッコイズを運営する会社の大きな古着屋があったんですよね。

なので、いつも心斎橋駅からずーっとスリフティさんの前の通りを順番に見て回り、NYLONを見て、ビッグステップの前を通って帰る。

というようなコースで古着屋を周っていました。

その翌年、大阪の堺に出て来て住むようになり、アメ村にも頻繁に行くようになったのですが、徐々に古着ブームも陰りを見せ、お店がどんどん減って行ったのですが、そんな時も、スリフティさんはいつもあの場所にあって、いつからか、自分の1番長く通っている古着屋さんになりました。

堺に10年、泉大津に5年住んでいたので、難波駅に着くため、アメリカ村の中でも南側のお店から周るので、べったり通い詰めたわけではなかったのですが、サラ着を着ている時期も、いつもその場所にあるスリフティさんは、サラ着を着ていても唯一行く古着屋さんでしたし、また古着に戻ってきた時も、1番初めに行った古着屋さんでした。

その後、F-STREETを始め、店長の小路くんと仲良くさせてもらってからは、何かあると相談する存在で、よく
「F-STREETにバナー載せて応援したい」
というお話をしてくださり、遂に
「スリフティもう一つのお店」
を立ち上げ、F-STREETのスポンサーになってくださいました。

立ち上げ前は、小路くんと何度も会議をして、といっても、いつしか
「アメ村を盛り上げたい。」
「古着を盛り上げたい。」
というような熱い話に変わるのですが 笑

もう一つのお店は、当時のネットではビンテージは売れない、レギュラーをさばくという流れに逆らった衝撃的な手法で、田中社長と小路くんの作戦が見事に当たった、伝説的なネットショップになり、またその商品構成力は全国にスリフティのパワーを轟かせました。

この一年は田中社長とも何度かお話をさせて頂けて、いつもどの瞬間も笑顔で、僕にも丁寧な口調で話してくださり、泥酔されている時はまたさらにもうワンランク明るいという、本当に魅力的な方でした。

F-STREETは多分、スリフティさんがスポンサードされた唯一の存在で、15年通った憧れのお店のオーナーさんにそういう風に認めて頂けて支援頂けた事がとてつもなく誇らしいです。

なんだかお世話になりっぱなしで、何も恩返し出来てなくて、それが本当に不甲斐なく悔しいのですが、これからも田中社長の築いて来られた大阪の古着文化をF-STREETを通じて少しでも多くの人に伝えて行けたらと思っています。

書いてるとあれもこれもこんなことも、と書きたいことが溢れて来て、全然書きたりませんが、職場に着いちゃったので、今日のところはこれにて。

また、いろんな機会で書きたいと思います。

おわり。