羽曳野BROOM

2013年3月30日土曜日

七つの会議に見た社会の闇

今日は何も用意してきてないので、最近読んだ本の話でも。

今年は読書をする年にしようと、月に2冊を目標に、文学作品とエッセーやノウハウ本のようなモノを交互に読んでいます。

元々、企画力はアイデアの数と考えの深さだと思っていて、その為のインプットとして読書は最適だと思っています。

テレビやネットで見るのとでは集中力に差がありますし、長時間集中するのにも読書が一番向いてると思うのです。

またこうしてブログも書くので、文章力を培いたい思いもあります。

それで三月の文学作品の番は、池井戸潤さんの七つの会議。



職場の図書室に池井戸潤さんの本がたくさん置いてあるので、順番に読んでいて、下町ロケット、ルーズヴェルトゲームに次ぐ三作品目。

池井戸潤さんは元銀行員で、中小企業の裏側を題材にした作品では秀逸の作品を作られ、七つの会議は、企業のリコール隠しのお話。

個人的な感想では、三作品で七つの会議が一番面白かったです。

短編が7話続き、最後に完結するのですが、1話目から伏線が張られまくりで、次々にそれが繋がり、モヤッと感が残らない素晴らしい展開でした。

1話目は、残業する人の為に会社内にドーナツの無人販売を置いてはどうかという企画を営業課の事務員が企画発案するという話で、それは最終議案のリコール隠しのお話とは全く関係のないところで展開されているはずなのですが、そこの登場人物が後に小さな鍵を握っていたり、最後に1話目の主役に小さな小さなスポットライトが当たったり、展開力は勿論、その企画・構成にも舌を巻く作品。

1話目では、企画を通す営業力のヒントが詰まっており、4月から就職される方々にも読んで頂きたい一冊です。

また、実際に2010年にあった小糸工業の旅客機座席強度改竄事件がモデルになっており、壮大な不正とリコール隠しの裏側が描かれているのですが、最後には、自分がその立場になったらどうするか、それに気付いた時、どのような行動を取るのか、社会で働く意味や自分の持つ正義感など、非常に考えさせられる一冊です。

このブログは古着屋情報サイト内のブログなので、このような書評に対する需要はまああまりないとは思うのですが、自分のライフスタイルという事で、これからもたまに書いてみたいと思います。

何よりこういう記事も書けるとネタに困る事も減るなぁと…笑

おわり。