羽曳野BROOM

2014年2月2日日曜日

中川政七商店に見る古着業界の可能性

カンブリア宮殿こと、作家の村上龍さんとアシスタントの女性(小池栄子さん)が各界のイノベーションを起こしている経営者に迫る番組に、奈良の雑貨屋「中川政七商店」十三代目中川淳さんが出ておられました。



1月30日(木)の『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)は、自社商品を製造・販売するだけでなく、全国の伝統工芸品を自社の店舗で売り、瀕死のモノづくり企業を再生する奈良の老舗麻織物メーカーの13代目社長に迫る。

奈良で300年続く麻織物「奈良晒(さらし)」のメーカーで、全国に29店舗を持つ中川政七商店。自社商品を製造・販売するだけでなく、全国の伝統工芸品を自社の店舗で売り、瀕死のモノづくり企業を再生させている。例えば、新潟の伝統の刃物企業は、包丁を900種類も造るなど経営が迷走していたが、中川は売れ筋の4本に絞り込み、新ブランドを立ち上げ、見事に再生させた。

日本人の生活の中で長く愛用されてきた伝統工芸品は数多くあるが、今は生き残りが極めて厳しい時代。中川は「その良さを自分たちで伝えること」にこだわり、直営店の展開に注力している。「日本の工芸を元気にする」をコンセプトに掲げる、新たな「中小モノづくり企業再生術」に迫る!
といった方で非常に興味深かったのが「見せ方を変える」事で、売れなくなっていたものを売れるように変えるという手法。

「売れないのは商品が悪いのではなく、見せ方が悪いから」

という言葉は勿論、商品に一定以上のクオリティーと自信があるからこそ出てくる言葉ではあるのですが、一方で「布巾なんて縫えば作れるのだから生地さえあれば誰にでも作れる」商品を売れるようにする戦略には「生地の良さ・生地の特性を生かした物作り」の先に、その商品をどう見せて売るかという部分に絶対的な強みがあるから出てくる言葉であると言えます。

奇しくも古着屋さん15のインタビューで僕も同様の事に触れています。



誌面では文字数などの都合でややニュアンスが変わっているのですが「昔なら扱わないようなアイテムを選ばれていたり」の部分。「以前なら扱われなかったようなアイテムを見せ方を変える事で商品にしてみせたり」というようなニュアンスで話しております。

明確に頭にいくつかの事例が浮かんで話しているのですが、その最たる例が南堀江の古着屋jaBBer。
開業から少し経ち、jaBBerさんがプッシュしたのが「ビッグサイズ」と「80's&90's」。

今では信じられませんが、当時はFREE&EASYが作り上げたヴィンテージ至上市場で、そこに見向く人はほとんどいなかったんですよね。
それをブログでその商品の良さを発信し、実際に着て見せ、見事に売れる商品へと昇華させ、遂には90'sブームなんて流れまで呼び込んだわけです。

古着業界で扱われる服って、長い時代を生き抜いてきて、今でも愛用されるような「商品の質」と「商品の魅力」は間違いなくあるので、それをどう見せるかで、まだまだもっと古着は売れると思います。

5年ほど前に比べると、古着業界もだいぶ好況にはなってきましたが、この辺りに我々F-STREETのような古着業界を応援する媒体が出来る事って眠っていると思うのです。

ブランディングとは「伝えるべき事を整理して正しく伝える」事である。

まずは自分達が古着のどこに魅力を感じているのか、どんな所が虜にさせるのか、を整理し、それをしっかり発信していくことが大切なんだと思います。
それをしっかり発信していけるような活動をしていけるよう頑張っていきたいと思います。

あと、最後にもう一つだけ、古着屋さん15のインタビューの補足をしたいのですが
「自分達のサイトを通じてショップが注目されるきっかけとなり、働くスタッフ達が「古着業界って面白い」と思ってくれたら嬉しいですね。」の部分。

超大事な一言が文字数などの関係で抜けていまして、「働く若い販売員さん達が「古着業界って面白い」と思って、"古着屋をやりたい"と思ってくれるとうれしいですね。」でした。

おわり。