滋賀県愛荘町の愛荘町立歴史文化博物館で開催中の「つぎはぎの仕事着展」に行ってきました。
会場の歴史文化博物館は、なんか由緒正しいであろう金剛輪寺の隣に有って、展示だけでなく庭や入口までのストロークも魅力的でした。
はしゃぐ僕。
ええ感じの庭。
博物館内は写真NGのところが多いけど、「つぎはぎの仕事展」の会場は撮影もSNSもOKでした。
やったぜ。
という事で撮りまくる。
展示品は約30点で、正直、僕の期待値が高すぎたので、それなりに「こんなもんか」と思うんやろうなーとか思っていたのですが、全然そんな事なかった。
30点全ての展示品が圧巻!!
この短上衣はリペアが左右対称になっています。また襟には模様のある布が使用されてます。
これ、家族に少しでも良い物を着てほしいという思いの詰まったものだそう。
やべぇ。格好良すぎやん!!
こういうサイドストーリーも描かれていて、最高の展示です。
この短上衣は山仕事で使われていたそう。
激しく損傷したりしているけど、丁寧に直されています。
当時の仕事着がこれほどまでに繕われている背景には、当時は布が今に比べてとても貴重だったからなんだとか。
長着は主に室内での作業用や女性の農作業用だったらしい。
丈が長いと作業はやりづらいので男性は短いものを着ることが多く、気温や作業によっては長着の裾を腰に挟んで「しりからげ」にしたそう。
これが男性の農作業スタイルなんやけど、もうこれ、まんまKAPITALの世界観やん!と思いました。
このパンツ!!やばし!!
こちらは女性。長着はこんなイメージなんですね。
この長着にはウォバッシュのような抜染生地が使われてたりして、もう1枚1枚の生地に釘付けになりましたわ。
そして、この2着の長着の刺し子の見事さ。
これを全部手でチクチク縫ってたなんて、気が遠くなりますね。
また興味深かったのは掛布。
和服は反物から直線で切り出された布を縫い合わせて作られていたので、ほどくとこうした四角形の生地になるんだとか。
すごっ。
なので和服が傷みすぎるとほどいて掛布にしたり、反対に掛布から仕事着を作ったり、またツギハギの生地に使ったりと、布をとことんまで使ったそう。
そのバックボーンが素敵。
モモヒキやモンペも展示されていたのだけど、モモヒキは男性用で、女性は本来は長着にエプロン姿だったそうなのだけど、昭和17年に女性もモンペが推奨され、浸透していったそう。
一方で、それに抵抗のある女性も多く、人目のない山でモンペを履いて、帰る時は人に見られないように脱いで里に下りたとかいういじらしい物語も書かれていてしびれましたね。
ちなみに会場にはこうした野良着やツギハギの仕事着からインスパイアされたブランド「KUON」の服なども展示されていて、この展示自体が歴史的な物の展示でありながら、ファッションとリンクした物になっていて、とても面白かったです。
また僕の毎年恒例の春の藍染めブームがきそう。
この素敵な展覧会は3月21日まで、滋賀県愛荘町の歴史文化博物館で開催中です。
おわり。