2017年1月27日金曜日

なぜ僕たちはユル武装にハマらなかったのか。

今、ボッロボロのジーパンを藍染めの古布を使ってリペアしようとしています。

デニムリペア&カスタムに参考にしているいかついデニムを作る4ブランド

それで、昔、ダメージのあるレギュラーの501に古布を使ってリペアを施して販売していた「TSUGIHAGI」というブランドを雑誌FREE&EASYで見たことがあったなぁ、と思って、それを見てみたくなりネットで検索したら、今はTSUGIHAGIというブランドがもうなくなっているのだけど、FREE&EASYの2011年4月号に掲載されていたという情報をゲットし、自分の本棚をチェックしたのですが、残念ながら買っていなかったみたいで、Amazonでバックナンバーを注文しました。


第一特集が「職人の手仕事」という、今の僕なら問答無用で買っているはずの号です。
当時も好きだったはずなのだけど、ただ、この頃、FREE&EASYが過渡期を迎えていて、ある理由から我々ヴィンテージ愛好家が同誌に興味を失っていた時期でもあったので、恐らく、立ち読みぐらいで済ましていたのではないかと思われます。



で、目的のTSUGIHAGIのジーンズも掲載されていて、「職人の手仕事」も物凄くよくて、大満足だったのですが、このTSUGIHAGIジーンズが掲載されていたのは、第二特集の「インディゴ&藍、春のユル武装」という特集。

このユル武装というスタイル。

FREE&EASYがラギッドブームのあとにラギッドアイビーと共に打ち出した、この頃の新たなスタイルでしたが、ほとんど受け入れられることなく、何度かの特集程度で消滅しました。

「ユル武装」と検索しても、大して何の情報も出てこないところが、割と誰にも刺さってなかったという事を表しているのではないかとか、推測しているのですけど。
まあ、6年も前の事なので、WEBからそれなりに情報が消えているのも不自然ではないのですけど、とにかく、僕たちには刺さらなかった。

僕たちとは、僕と同じようにヴィンテージが好きでFREE&EASYを愛読していた読者をザックリと指しているつもりですが、中にはハマった方もおられるかもしれませんので、あくまで「僕たち」とお受け取り下さい。

そのユル武装。どんなスタイルかというと・・・


インディゴと藍染めという別々の国で生まれた染色方法を同居させ、和諧させたスタイルを打ち出そうとしたのがユル武装の原点だそうで、上の写真のように鮮やかなインディゴブルーを多用したスタイルです。



まさに僕の今の気分でもあり、同じような事を今年、やりたいと思っているのだけど、やっぱりまだ、どうしてもドンズバで刺さるものがない。

なぜなのだろうと考えていたのですが、ある事に気付き、合点が行きました。

「ユル武装」というネーミングがどうなの?とか、そもそもスタイリングしているモデルさんやスタイルがもう少し大人になってないとしっくり来ないのでは?なんてことも考えたのですが、それ以前に、このユル武装スタイル、一切ヴィンテージを使っていない。

インディゴと藍染めという古くからある日米の文化に目を向けたスタイルであるにも関わらず、めちゃくちゃヴィンテージとの相性が良さそうなのにも関わらず、一切、全てのコーディネートや商品紹介に一切、まるっきりヴィンテージは登場しない。

この頃、FREE&EASYは脱ヴィンテージを進めており、僕たちヴィンテージラヴァーは脱FREE&EASYを余儀なくさせられていた頃で、それが冒頭「我々ヴィンテージ愛好家が同誌に興味を失っていた時期」でもあります。

そんなわけで、この特集にもシャンブレーシャツやデニム、カバーオールなどヴィンテージがしっくり来るアイテムですらヴィンテージは一切登場しないのです。

そりゃ僕たちのアンテナには引っかからないわけだ。

ヴィンテージがメインではなくても、1点だけヴィンテージが使われている・・・とかでも僕たちはもしかしたらハマったかもしれないなぁとか思うのですけど、じゃあ、一方で、この頃、FREE&EASYが打ち出していたアイビースタイルやトラッドスタイルの愛好家の方々はどうかというと、そうした洋服を正しく着られたいスタイルには、ツギハギやダメージモノなどはあまり受け入れられなかったようで、WEBを探してもアレルギーの強い反応がほとんどでした。

じゃあユル武装はダメなのかというと、よく読み込んでみると非常に魅力的なスタイルであることも理解できます。

インディゴと藍染めの和諧。ここだけを抜き出しても、今年は青だ!と、ヴィンテージのボロボロアイテムを中心に、インディゴと藍染めを堪能しつくそうと考えている今の僕にはとっても魅力的。

どちらかというと「ユル武装」よりも2015年に流行色として使われた「クラシックブルースタイル」という気持ちでいましたが、このユル武装というスタイルをヴィンテージが大好きな僕のフィルターを通して、自分なりに解釈し、再構築して参考にしたいと思いました。

おわり。