最近、ファッション業界でも情報発信の中心がYouTubeになってから、サムネ映えやタイトルで釣らなきゃいけないため、極端なことを発信する人が増えて、「こんなファッションはおっさんファッションだからやめた方がいい」みたいな発信をする人が増えています。
最近は上記動画の大山さんがよくtwitterで反論されているのを見かけます(笑)
僕もまあ、年齢と共に割とそういうマインドは出来てきていて、「おっさんくさいと思われるのは嫌だな」とか、「おっさんくさいって何かね」とか考えこんでいたのです。
なんせ来年には45歳。
大台も見えてきていて、時代も時代ならおっさんどころか初老です。
一応、ファッションの事などを発信している立場なので、随分な間、その辺は重大なテーマに思っていました。
それで、先日、コロナを患って、長い隔離期間の間に若者のファッションユーチューバーの人の動画を見ていたのですが、どの方のどの動画だったか、残念ながらハッキリとは覚えていないのですが、その方が
「30代~40代の方は若者とファッションをかぶりたいとは思っていないので」
と発言されていて、それを聞いてハッとしました。
そりゃそうだ、と。
確かに、例えば古着業界界隈の40歳ぐらいの男性、35歳の男性、30歳の男性に「中高生や大学生と同じファッションをしたい?」と聞けば「したい」と答える人は超希少種でしょう。
これが今の流行の最先端とすれば30代~40代の方にはあまりハマるファッションはないわけで、若者には若者のファッションがあって、30代には30代の、40代には40代のファッションに対する興味や哲学的なものが自然と養われているわけで、それはこれからも変遷していくでしょう。
自分の歴史を振り返れば10代の時はとにかく、身近でオシャレだった友人の後をついて服屋さんに行き、その友人がすすめてくれるがまま、服を買っていました。
20代の頃はファッション誌が全盛だったこともあって、ファッション誌をとにかく読み込んで、流行のファッションを追い求め、30代になって初めて「俺は古着の歴史を刻んできた雰囲気が好きなんだな」と認識し、ボロ系雰囲気系に特化するようになり、買う物もワークウェア、リヴァースウィーブ、野球Teeなど自分の好きな物に特化していくようになり、その好きな物には限度はあれ割と惜しみなく資金注入していました。
40代からはファッションは自分の人生やライフスタイルを表現するツールだなぁと思うようになり、今、自分の365日、1カ月、1週間、24時間、それぞれのスパンで自分のライフスタイルにマッチして、その毎日をアゲてくれるものに資金的リソースを効率的に投入するようになってきました。
ありがたい事に、僕には10代~20代前半ぐらいの友人もおりますが、じゃあ、彼らの後をついていって、彼らの言うがまま服を買うかと言ったらNOで、ファッション誌を読み込んで今の流行を追うことにも興味はゼロです。
彼らと一緒に買い物に行って、1つの商品を取り合う事はあるし、ファッション誌も時間があれば読むようにはしていますが、それとこれとは別。
最近、中学生の娘とWE GOに行くことが増えましたが、じゃあ、そこで自分が服を買うかというと、まあ、基本的に買う事はないのですけど、でも高校生の甥っ子にはそこで服を選んでやることもあります。
本来はおっさんファッションだからダサい、だのオヤジファッションだからダサいだのといったことではなく、そこにそれぞれのファッションがあるわけで、そこに優劣をつける物ではないんだよなぁという当たり前の所に行きつきます。
でも、じゃあ、今、このままの考えのまま思考停止で服を買って着ていればいいのか、というと、それも違うのかなぁと思っていたりもします。
こういう「おっさんファッション」「オヤジファッション」系の発信でもファッションアナリストの山田耕史さんの、この記事のある一文は僕に強烈に刺さりました。
※参照:アラフォーオジサンのファッションが10年前で止まっている理由。
「おっさんくさい」を脱却するのに、脱おっさんファッション・脱オヤジファッションを目指し流行や若者のファッションに迎合することではなく、常に流行や若者のファッションにも興味を持ちながら、自分のファッションをアップデートすることは意識していきたいなぁと思っています。
そして山田さんの書籍も是非どうぞ。